改正銀行法の成立から思うこと。皆さんはどう思いますか?


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世間ではコロナワクチンの話で持ちきりですね。

そんな中、6月19日の参議院本会議にて改正銀行法が賛成多数にて可決されました。

今日は改正銀行法が以前と比べ、どのような違いがあるのか等をニュース記事も交えながら解説していきます。

個人の思う事も含め、皆さんの考える際の1つのきっかけになれば幸いです。

まず、記事を貼っておきます。

www.nikkei.com

従来の銀行法は銀行の業務範囲を厳しく規制してきました。

理由としては様々な事業にうかつに手を出して失敗し経営が傾くようなことになれば、預金者保護などに支障をきたすからです。

現在、地域経済の疲弊や少子化、超低金利で銀行の収益基盤は揺らいでいます。

その一方で銀行界には楽天やアマゾンなどの流通大手やIT企業が参入しています。

地銀やメガバンクの幹部には「銀行法によって手足を縛られて身動きが取れない」という意見も多く出ていました。

今回の法改正にはそういった銀行へのガス抜きが込められている面も存在しています。

そして今回の改正銀行法成立に至った経緯もあります。

改正銀行法には、銀行に収益機会の拡大や新事業参入への道を広げるという目的があります。

銀行本体で自行アプリやITシステムの販売、広告や登録型人材派遣、高齢者の見守りサービスといったビジネス展開が改正銀行法によって可能になります。

規制緩和を先取りする動きとしては山形銀行の「TRYパートナーズ」の発足や山口FGの人材開発会社や投資ファンドと手を組んだアグリビジネスなどが挙げられます。

今後他の地銀も似たような動きを取る可能性が高いと言えます。

私個人としては銀行に限らず様々な企業が色々な分野に手を出すことで、ビジネスチャンスが広がる可能性があるとみています。

その反面、ある分野に特化した技術を持つ中小企業や零細企業は、経営の窮地に立つような場面も増えていき、倒産可能性が高まってきているとみています。

 

改正銀行法成立による変更点

 

①事業会社への出資上限における規制緩和

→従来上限5%(持株会社なら15%) 

→変更後 非上場企業には100%出資の可能

 

業務範囲の拡大

債務保証、ファイナンスリース、M&Aといった従来の付随業務に加え、広範なサービスの提供が可能になる

具体例:開発したシステムやアプリの販売、登録型人材派遣、見守りサービス、ビジネスマッチング、更には蓄積された顧客データの分析やマーケティング、広告業務への進出

 

 

上記2点が改正銀行法の大きな目玉になっています。

先月発表された三井住友FGと電通による共同出資会社の設立も今回の法改正を見込んだものだと考えられます。

フィンテックを背景に金融ビジネスの規制緩和が進み、銀行側の規制緩和に伴い、銀行の一般事業会社化も必然と言えなくもないです。

しかし、そうであれば銀行はその存在意義を自ら社会に問う必要があります

出資規制の緩和が単なるファンド化を意味する場合、必然として投資効率の高さが支援先企業の選別理由となる可能性が高いです。

出資先銀行からのプレッシャーが支援企業本来の事業戦略を歪める可能性もあるため一概に賛成とは私は思えません。

そもそも銀行の規制緩和には、優越的地位の濫用や利益相反のリスクが構造的にあります

顧客保護、顧客視点に立っての議論も不可欠です。

過去、問題になったスルガ銀行のような過度な利益追求によるコンプライアンスの逸脱がないことを強く願っています。

biz-journal.jp

改正銀行法の問題点

①融資ではなく100%の出資を可能にした点

→融資では金利を払うのみだが、出資だと比率によって経営権が持てるため

②100%出資の中には海外ファンドも含まれている点

→海外ファンドに開発した技術全てを搾取され、技術だけ奪われすぐ売り飛ばされる可能性があるため

③銀行が現金を求めた場合出資してすぐ売り飛ばす可能性がある点

→株式を多く持っている人に議決権があるため

 

現在、日本企業や日本経済はコロナ禍の経済危機に伴い疲弊しています。

他国に比べ、補償が少なく、飲食店を始めに倒産件数も増えています。

現状を見た上で雇用機会は失われていると言えます。

そして、タイミングを合わせたかの如く今回の改正銀行法の成立です。

今後M&Aは加速度的に行われていきます。

それに伴い、合理化という名の下に雇用機会はさらに失われていくことでしょう。

雇用が失われれば、地域の消費も小さくなり、地域も衰退していくことでしょう。

所得の二極化が進むことは間違いないと考えられます。

どのように捉えるかは皆さん次第ですし、改正銀行法をチャンスにするもピンチにするも捉え方次第だと思います。

良いと思うものには良いとダメだと思うことにはダメと言っていきましょう。

1人1人が出来ることを出来るところから始めていくことが大切です。